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脳内に咲きまくる前のcyborg 009種(ネタ/妄想/日記)置き場。
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月見里学院(事件解決前)の寮での出来事。


「島村」
「・・・・なに?」
「珈琲いる?」
「あ、ああ・・・」
「ブラックでいいんだよね?」
「うん」
「何か甘いのとかはいる?」
「いや、いい・・」
「モックモックのお菓子があるけど、シガレットタイプの」
「・・・篠原は?」
「珈琲は甘いものと一緒じゃないと飲みにくいから、食べるよ」


当麻は、自分の腰くらいの高さの冷蔵庫の上におかれている4杯分しか作られないミニ・珈琲メーカーをセットしはじめた。

ジョーはちらりと開いていたラップトップで時間を確認する。


「その珈琲ってさ、篠原」


当麻はかならず就寝3時間前に1杯の珈琲と何かお菓子を口にする習慣があるらしい。


「あ。・・ああ、ごめんディカフだよ?もう夜だし、別でつくろうか?」
「・・・・いや、そこまでしてくれなくていい、・・ありがとう」



珈琲をいれてくれるのは嬉しいけれど、カフェイン抜きの珈琲はあまり好きじゃないジョー。
けれど、それを口にする勇気はない。


「1つだけでもさ、食べない?」





−−−1人で飲み食いできないのか?

同じ部屋に居て、自分だけというのは気が引けるらしく、当麻は部屋で飲食するときに必ずジョーを誘う。
誘ってくれるので、ジョーが好き勝手に水やら何やらを手に取る時、どうしても気になってしまう。声をかけた方がいいのか、それとも放っておくべきか。いちいち考えてから動かなくてはいけなくて、少しだけ面倒でストレスに感じていた。



「ずっと思ってたんだけど、島村のこのマグ・・・は、」
「?」


夕食後、寮内の部屋で黙々と勉強していた2人に小休憩の空気が流れ始めた。


「こういうの、好きなんだ?」
「可愛いと、思う」
「・・・うん、可愛いね」





2人に沈黙が落ちた。




−−−フランソワーズが選んだって言った方がいいのか?

−−−フランが選んだのか・・な・・・・島村のために・・。


当麻はまじまじとジョーのマグのイラストを見つめている。


−−−でもそれを買うって決めたのは、俺自身だけど。

−−−フランと・・・こういうの一緒に買いに行けるんだ・・・・。


ジョーは、当麻から視線を外してラップトップのウィンドウを見つめているが、仕上げなければいけない課題文が頭に入ってこない。


−−−やっぱり、可愛すぎて・・変かな?

−−−フラン、こういうのが好みなのかな?


2人の軽くたついため息は、まったく同じタイミングだった。


−−・・・・邸でも俺用のマグは犬のイラスト入りなんだけど・・・。でも、サ○リオのじゃないし、あれは色も黒のカップだし、・・・イラストもちっこいし・・・。買い直した方がいいのか?

−−−島村にこれって可愛すぎると思うだけど。フランが選んだのを断れなかったって事だよね?・・・・それともフランが選んだから・・・・とか・・。






微妙なお年頃な2人。

−−−フラン、このマグのキャラクターが好きなのか訊いてみよう。



恋のライバルな2人。

−−−買い直したりしたら、フランソワーズ・・・どう思うかな・・。


そんな2人は同じ寮の同じ部屋を共有するルームメイト。


end.
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